Pintapは近年成長が著しいインドネシアのベンチャー企業。
パソコンよりも先にスマートフォンが普及した、と言われるインドネシアにおいては、デジタル化による生活革新の度合いが大きい。
昔ながらの屋台の店先にコピー用紙に印刷されたQRコードが張り出されており、各自がスマートフォンの決済アプリを用いて、キャッシュレスで会計を終えてゆく。
そんな状況において、スマートフォンをインフラと捉え、いまだ整備が進んでいない地方部の伝統的な小売産業の構造を変革していこうとするのがPintapである。
多岐にわたるサービスそれぞれについて、特徴をヒアリングすることから始めた。
しかし結果としてそれぞれの特徴をベースにブランドを組み立てるのではなく、
むしろ創業者の持つ強い想いを抽象化し、ブランドの軸に据えた方が良いと判断した。
創業者の強いビジョンを明確にビジュアライズする
企業が存在する意味は社会に対して、なんらかの影響をもたらすことにある。
それはつまり明確な「アクションプラン」を持つということである。
Pintapの場合は展開するアプリのサービスを通じて、インドネシアの社会をどう変えていきたいのか、という点について創業者とのマンツーマンインタビューを繰り返した。
導き出されたのは“Enlight - 啓蒙する”と“Enpower - 力づける”という二つの動詞。
キーワードが動詞で定まることにより、ブランドが目指す方向性が明らかになり、
アクションプランを明確に表現したビジュアルがデザインされた。
インドネシアにおいて果たすべき役割を“動詞”で考える
Empowering the founder's vision
Pintap
径の異なる3つの円が重なり合うというシンプルなルールで形成されたロゴと大胆に傾斜したタイプフェイスにより、成長スピードの速い企業の事業展開にもついていける耐久度の高いブランドアイデンティティを構築。
Pintap社内のデザイナーが自ら考え、デザインを展開できる余地を残した。
長期に渡りブランドが自走するためには軸の通った考え方とそれに基づくビジュアルの展開ルールが必要である。