利用率が70%を超えたネットショッピングなど、あらゆる配送に欠かせないネットショッピングを利用した際に必ず付帯するのが「ダンボール」。
新型コロナウィルスの影響もあり、世界中で消費量が右肩上がりとなっている、縁の下の力持ちだ。家庭内でかさばる大きなゴミ、というイメージとは裏腹に、正しく扱えばリサイクル率がほぼ100%となるサステナブルな包装材でもあり、今後さらなる生産消費量の増大が見込まれている。クライアントであるダイヤトレーディング株式会社は、こうしたダンボールを主力商材とする商社である。
昨今の状況を踏まえて新しく事業を開始するにあたり、BIGLONGでブランディングを請け負った。
社会インフラとなったダンボールの振る舞いをロゴに
ブランディングを検討するにあたり、まずダンボールが置かれている環境をリサーチした。ほとんどの場合、ダンボールは「縁の下の力持ち」的存在であり、表舞台に立つことはない。また、B to Bでの活用が大きな割合を占めるため、ブランドに期待される役割は、社名が積極的に認知されることではなく、利用者に安心感や信頼感を与えることであるということも判明した。
そこで、デザインのコンセプトに据えたのは、「どこかで見たことがあるような光景」だ。
日本の日常で見かける「看板文字」をベースに、Webや印刷媒体など様々なメディアで利用できるよう再構成したタイポグラフィを開発した。
「伝統的な日本のロゴタイポ」を再構成したタイポグラフィ
Diamond Trading
Client
Branding
Services
Industry
Packaging
Typography reconstructing scene from memory
DIAMOND TRADING
丁寧に扱われるとは言い難いダンボールだが、裏を返せば人々は段ボールに大きな安心感を寄せている。多少乱暴に扱ったとしても壊れない、内容物を受け止めてくれる包容力を感じているのではないだろうか。
また、実家からの仕送りや楽しみにしていた配達物が届いたときの「ワクワク感」も、ダンボールというプロダクトには含まれている。
こうした「懐の深さ」を表現できるよう、どんな環境においても明確な視認性を担保する強度をもったロゴをデザインした。ダンボールに貼られるガムテープにインスピレーションを得て、DAIAMOND TRADINGの「D」をシンプルに象っている。